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  『写真集伊那路の祭 』下村幸雄撮影


■上伊那に伝わる60の祭を写真と文で紹介■ 
B5変形判 縦組 164ページ 1999年刊     
ISBN4-88323-108-9  C1039   定価 本体21900円+税

[著者略歴]しもむら・ゆきお1931年駒ヶ根市生まれ。伊那北高校、東京写真大学卒業。共同通信社等を経て、駒ヶ根市役所勤務。市立博物館長を最後に退職。

■すいせん文 
駒ヶ根市長 中原正純  
「祭り」というと、幾つの時も楽しい思い出が多い。私の幼少時代は、戦中・戦後の動乱期で、物も豊かではなかったが、祭りの時は格別で、親戚縁者が集まり、普段食べられない料理がふんだんに並べられ、こんなに美味しいものが世の中にあるのだと思ったものだ。また、薄暗い夜店で、手に握り締めていた小銭で、ニッキの小瓶を買って飲んだ。その味も忘れられない。 そして今は、祭りを通じて豊穣への純粋な祈り、日照りとか雨が降り続くとか、大自然に対する畏敬の念も理解出来る。戦後、休止していた祭りも、まちづくりの視点から見直され、数多くが復活していることを大変嬉しく思う。『伊那路の祭』は、多くの珍しい祭りや祭りの歴史の深さを、下村幸雄さんの確かな写真技術でしっかり捕らえられており、私を魅了した。ゆっくりとした時間がとれたら、祭り巡りをやってみたいものだ。
すいせん文 伊那市長 小坂樫男  
駒ヶ根市在住の写真家、下村幸雄さんが、上伊那郷土研究会の月刊誌『伊那路』に五年にわたって発表した作品を中心とした写真集を出版されるとのこと、『伊那路』の読者としても本当に嬉しいことです。下村さんが、上伊那中を足でかせいだ労作で、こうした祭りを網羅した写真集は珍しいのではないかと思いますし、古い祭りから新しい祭りまで広範囲に亙って、上伊那地方の祭りをやさしいタッチで撮られております。祭りはその地域の風俗や人間模様をうつす文化です。何らかの形で後世に伝えて行きたいと考えています。すばらしい写真集の出版を楽しみにしています。
      
■本書は、上伊那地方にある多くの祭りのなかから約50の祭りを、写真と文で紹介したものです。 駒ヶ根市在住の写真家、下村幸雄さんが上伊那郷土研究会の月刊誌『伊那路』に、5年にわたって発表した作品を中心にまとめたものです。   
  祭りって何でしょう。楽しい、勇ましい、神輿、笛太鼓、夜店、小遣い、ご馳走、酒、無礼講、町内、若衆……。祭りほど、たくさんの人に、たくさんの異なるイメージが膨らむイベントはないでしょう。 祭りは民衆が生み出したごった煮の文化です。それぞれの時代上伊那が育んできた、そんなごった煮の文化を、下村さんがすべて現場に行って取材し、 写真と文で綴りました。  
  本書は、下村さんの写真を核として、伊那谷の街道に滲む歴史の哀歓を下村さんの恩師で日本ペンクラブ会員の柿木憲二さん、上伊那の地勢的概括を『伊那路』編集委員の小林一行さんが書き、俳人山口斗人さんは農業者として開拓地から戦後の暮らしを照射。フランス在住の安川博画伯が共にした青春を回想、伊那路の観光開発の光と陰を中日新聞東京本社の唐木清志記者が点検しています。時代を透視した小論を併せ、文化を映す華としての祭りを感じていただけたら幸いです。

 

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