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 『アイヌ植物誌 』福岡イト子著

■自然界の動植物はカムイ(神様)のアイヌ(人間)への贈り物−−アイヌ民族のエコロジー世界を植物とのかかわりを通じて解説。長年かけてアイヌの古老たちの知恵から学んだ植物利用法。きれいな挿絵入り。    
ISBN4-88323-079-1 C0045   四六判 1995年刊 定価本体2000円+税 

2004年6月現在=品切れ中です。今秋には増刷予定。

 

■目次■
序 章 上川アイヌの人びとの――四季と暮らし
第一章 春から夏へ
 ■茎葉頬 ギョウジャニンニク ニリンソウ(フクぺラ) フキノトウ フ キ ウ ド ハナウド ヨモギ エゾニユウ アマニュウ ヒトリシズカ フッキソウ ヒメザゼンソウ ミズパショウ オオパコ オオイタドリ ヨブスマソウ エゾカンゾウ パイケイソウ クサノオオ ヤドリギ サ サ ネマガリダケ フクジユソウ
 ■根茎頬 ヤプマメ(ツチマメ) エゾエンゴサク カタクリ クロユリ エゾノリュウキンカ オオパナノエンレイソウ ユキザサ コオホネ オオウバユリ
 ■樹木類 ハルニレ オヒョウ シナノキ イチイ(オンコ) ケヤマハンノキ オニグルミ カツラ ヤチダモ エンジュ シラカバ・ ノリウツギ(サビタ) ハシドイ(ドスナラ) タラノキ キタコブシ ドロノキ
 ■穀 類 ア ワ ヒ エ
第二章 夏から秋へ
 ■茎葉類 ガ マ トクサ エゾイラクサ ムカゴイラクサ ツルウメモドキ ヤマブドウ(の蔓) エゾヤマハギ ヤマアワ
  ■根茎類 イケマ トリカプト エゾテンナンショウ オニノヤガラ バアソブ ツリガネニンジン ツルニンジン サイハイラン カラハナソウ
 ■果実顆 ハマナス ヒシ(の実) キハダ コクワ(サルナシ) マタタビ オ二グルミ カシワ ク リ ガンコウラン
 ■キノコ頬 シイタケ マイタケ
第三章 秋から冬へ
 ■樹木類 ミズキ ナガバヤナギ エリマキ ヤマグワ トドマツ エゾマツ エゾニワトコ エゾノウワミズサクラ ナナカマド

           1995.7.14  
           北海道新聞  
        自然の調和 民族の「心」紹介  
    「アイヌ民族の素晴らしい自然観を知ってもらいたい」
 
福岡さんは小樽生まれ。旭川市内で高校教諭を務めていた1967年、旭川近郊に近文コタンがあることから、生徒とともにアイヌ民族の文化を研究。古老らとともに山に入って植物の生息状況を調べ、植物名の意味や草木にまつわる伝説などを聞き取り93年、「アイヌと植物」(旭川振興公社刊)にまとめた。  
  今回は「アイヌと植物」が売り切れ状態となっていることから、その後、集めた情報を大幅に加えて出版した。生活に密着した植物を重視したため、取り上げた植物は前回よりも七種類少ない86種。新たに上川地方で生活するアイヌ民族の四季の暮らしぶりに関する記述を入れた。  
  植物の微妙な生長から狩猟、採集の時期を知ることなどを記し「独自の誇り高い文化を生んだ」と、その生活サイクルを紹介。植物は「ウド=チマキナ(かさぷた・草)」と和名、アイヌ語名とその意味を併記し「茎をせんじ傷口を洗うと化のうを防ぎ、はれものを洗うとかさぶたがつかないからだ」と、アイヌ民族の古老から聞いた組物に関するエピソードを掲載した。  
  福岡さんは「アイヌ民族の文化を理解するには、彼らの『心』を知ることが大切。どんな考え方を持っているのかを分かってもらえればうれしい」と話している。

 

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